新しく所属したマーケティング部が惨憺たる状況だった

この夏から、とある中小IT企業のマーケティング部で正式に社員としてお仕事をさせていただくことになった。
給与面などの条件を立て、目標を設定し、3か月ほど転職活動をして様々な苦労の末に内定を勝ち取ったので、入社が決まったときは結構うれしかった。

が、いざ入社してみると、そこにはマーケ部とは名ばかりの、荒野が広がっていた。何も仕組みが整っていない。市場戦略を司る名を冠しているものの、施行されるのは行き当たりばったりな施策ばかり。正直入って2週間、ずっと頭がクラクラしていた。

改善方法も次々浮かぶが、まずは備忘録として現状の課題や問題点をまとめておく。

マーケティングの部署としてこれはやべぇなと思ったことまとめ

数値計測がなされていない

これまでもWebであればLP作って集客したり、メディア記事広告を出稿してみたり、Webサイトをリニューアルしてみたり、あとは展示会に出店したり、イベントに出てみたりといったことはしていたようだ。

だが、よくよく聞いてみるとそこに数値計測が含まれていない。その施策や行動にいくらお金をかけて、どれくらいの集客ができ、リードにつながり、結果としてコンバージョンに至ったのかどうか。そういった基本的なマーケティングの考えのもととなる数値計測が、一切行われていなかったのだ。

施策の分析・効果計測がなされていない

これは前述の数値計測がなされていないので当然できていない。何もスタートできない。

行き当たりばったり、思いつきの施策

入社して2週間ほど様子を見ていたが、どうやら実施される施策は主に部署のトップ(今後”上長”と呼ぶ)が思いついたものを、メンバーである課員が実施する、という状況のようだ。

そのため、場当たり的な対応にならざるを得ず、また急に仕事が降ってくるため「とりあえずはまずその施策を実施する!」ということばかりに頭が行きがちで、その施策を実施する際の計測や実施後の効果測定・分析まで設計されないまま施策だけが行われ、「問い合わせが来た・来なかった」とだけ言って終わるという状況が続いているようだ。

この状況は、数値計測・分析がなされていないのである意味当然の帰結とも言える。蓄積してきた数値分析のノウハウがないので、その施策が効果があるのかどうかを事前に見積もることができず、とりあえず目の前の問い合わせに直近でつながりそうだと思える思いつきを実装する、というパターンに陥っている。

予算や目標がない(知らされていない)

これも信じがたいことだが、僕が来るまでマーケ部の課員の誰も「今期いくら使えて、どれくらいの数値目標を達成しなければならないのか」ということを知らなかった。そこに意識がなかった、と言ってもいい。

これには本当に唖然とした。ではマーケ部として何を目標にして仕事をしているのか、と。

それまでは、

「こういう施策をしたい!(思いつき)」⇒上長に予算申請「これやりたいので××かかるんですけどいいですか?」⇒上長の承認「いいよ」⇒実施

という流れだったらしく、「必要になったらお願いをしてお金をもらうスタイル」だったらしい。お小遣いかよ。

まぁ確かに通常の流れっちゃ流れなんだけど、マーケ部として最大限成果を挙げるためには今使える自分たちの武器がどのくらいあって、目標に対してどういうアプローチの種類があり、その中で労力が低く効果が大きいものが何なのか、というのを考えていかないとチームとして効率的に動けないだろう。

この件についてはその後僕が非常に問題に感じ、上長に直接確認して今期使える予算と、ざっくりとした目標は現時点では把握している。まぁ、それも非常にざっくりしたものであり、予算もまだ正確なものは降りてきていない。いや、そこはすぐ出せるようにしといた方がいいのではないでしょうか。

コスト意識が低い、ちょっとずれてる

これは、主に時間に関するコスト意識として問題を感じている。施策を打つ(イベント、マーケすべてにおいて)にあたり、コスト意識(これをいくらでやった場合にCPA=顧客獲得単価がいくらになるか)が計算されていないため、業務(プロジェクト)に優先順位がつけられず、また成果も追えていない。

無駄なミーティングが多い

よくわからないのだが、あるミーティングに対してマーケ部の課員全員で出る、という習慣がある。

いや、そこに全員出る必要ある?っていうMTGが僕からしたら結構ある。

ちゃんと議事録とって必要に応じて後で確認できるようにすれば5分ですむやん。なんでみんなで出るの?て思ったら・・・・

議事録が取られていない

おおおおおおおおおおおおお。

議事録を取るという文化がない模様。えええええええ。あああああ。

会議体に関しては言いたいことがありすぎるので、また別の記事で書こうと思う。

手段が目的化されている

これは特にイベント出展で見られるのだが、結局先述した内容と同様で目標がなくイベントに出店しているものだから、出店すること自体が目的になっている。出店するだけになっており、費用対効果が見えない。

かけた労力、費用、時間に対してどれだけのリード獲得があったかなどが不明瞭なのだ。

営業が何をやっているかがわからない。営業との連携が取れていない

・新規受注がどれくらいあるのか

・そもそも通常の営業はどのように行っているのか(テレアポ?ルート?新規?)

・営業管理をどのように行っているのか(独自の管理ツール?SFDCへの統合は可能か?)

・SFDCへの統合が現実的に難しい場合、どこで躓いているのか?マーケでトレーニングなどを用意すればいいのか?

・営業との連携を取る場合のキーマンは?レポートラインは?

全部わからない。

サービス開発もマーケがやる?

マーケが独自に、それもうちの上長が?やっているらしい。営業との混合チームを組むとか、事業開発部門を別で設けるとかしたほうがいいと思う。

・営業や現場から上がってくるものもあるのでは?その吸い上げは?

・マーケチームとの連動は?

会議体がひどい

◆会議体の改善【優先度:高】

・マジでひどい。

・議事録をとらない、アジェンダの確認もなし、何の目的の会議かを最初に共有

・会議の種類を4種類に分類

– コミュニケーション/情報共有/決議(議論と決定)/ブレスト(アイディア出し)

– 定例に関しては、報告&コミュニケーションの場とするが、

議題については事前に共有し、その日に何を話し・決定すべきかの目的を会議開始前に

会議出席者全員が把握しておくようにする。

・会議に出なくていい人は出なくする。

⇒議事録をきちんと書いておけば、会議に出ない人でも後で内容確認が可能。

今のまま5人全員が出る会議ってのは、非常に効率が悪い。

⇒議事録を見れば5分で大体内容が把握できる。

・基本的に、発言がない人やその人への質問が出ない=出なくてもいい人。

⇒内容把握は議事録ですればOK。

・ベースの時間を1時間ではなく、30分を基準にする。

・会議が終わったら議事録をコンフルにアップ&Slack共有

■予定表にMTGが入るが内容がなにもない

目的、背景、アジェンダくらいかけ。始まってみるまで、何のためのMTGかわからない。

プロジェクト管理が皆無

◆プロジェクト管理の実施

・現状Trelloを使用したチームタスク管理を実施しているが、

– タスクごとの締め切りが実質ない(チーム課員まかせ)

– 進捗管理なし 今は管理なしでも回ってる(個人プレーの集合体)

Ex)例えば、ある仕事を振ったときに自分のタスクを把握しているのか?

受けても大丈夫かどうかの判断を各々がどのように行っているのか不明。

・なんのプロジェクトが動いているのかすぐにわからない

・プロジェクトごとの優先順位もよくわからない。

・誰がどれだけのタスクを抱えており、そのタスクの優先順位がどうなっているのかもよくわからない。

まとめ

いかがだったろうか。ざっくり書いたので細かく言えばまだまだあるが、大きいところを書いただけでこれだけある。僕自身はこれを書いていて頭がクラクラしている。

でも、単純にダメダメだ、と言って終わりたいのではなく、僕が入ったからにはきちんとマーケティングが効果的にできる組織にしたいと思っている。現状の課題や問題点の列挙は、そのためのスタートだと考えている。

そして、もちろん、この会社は悪いことばかりではなく、いいこともある。そのあたりはまた別の記事で書いてまとめたいと思っている。

はぁ、しかしこれはマジでやヴぁい・・・。何から手を付けていこうか。

コメント